インドやアフリカなどに行くと、様々な理由で自分の国では生きていけない先進国の人間が、自国ではあり得ないほど幅をきかせていることがあるが、この主人公の父もそういう人。そういう人たちのコミュニティもある。現地人の妻と暮らしてるけど、妻を対等に扱っていない人も多い。
この主人公や友人たちは生粋の現地人よりいい生活をしてはいるが、それは差別や妬み等危険もある。そういう情況は想像がつくのだが、ここでは更にルワンダの悲劇が起こる。
はじめの父の言葉が厭な感じだ。
フツは背が低く醜い、ツチはスラリとして美しい(もちろん妻はツチである)。こういう白人の意識がルワンダの悲劇を生んだと言っても過言ではない。更にツチのルックスは褒めながら、何を考えてるかは分からないという。分かろうという努力はしないのである。
ワルガキの友情とそれが戦争で壊れていくところ、ギリシャ人の老女から本を借りて夢中になる様子は実体験ではないかと思う。
若い作家のデビュー作たから、センセーショナルな(しかも実話に近い)ところが評価されたのかと思っていたが、きちんと古典を読んで育った人だと感じた。
内線の原因となった白人社会に対する批判は弱い気がした。
これからに期待したい。
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- 感想投稿日 : 2017年12月2日
- 読了日 : 2017年11月26日
- 本棚登録日 : 2017年11月26日
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