本の文章は所謂一般的な桃太郎の物語だが、絵がそれ以上のものを語っている。
しかし、「解説」は余計じゃないの。なくてもいいというより、ない方がいい。おせっかいな解説はあの「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」の岩崎夏海で、「なぜ?」と思ったら、昨年岩崎書店の社長になったらしい。(祖父が創業者)
岩崎書店が変な方向になっていきそうでちょっといやな感じ。
犬、猿、雉が痩せた住みにくい土地に住む貧しい民族で、少ない報酬で「傭兵」となった、なんて解説、要る?
黍団子を「少ない報酬」と考えるのも一つの考え方ではあるけれど、社会学的捉え方もできるわけだから、押し付けるのはどうかと思うし、桃太郎はサンリオキャラみたいな可愛さでありながら、刀一本(+犬の噛みつき、猿のひっかき、雉の目つぶし)だけで、武器を持ち、体格的には圧倒的に勝る鬼たち(それもすごい数の)をどうやって倒したのか。
あまりに鬼の数が多すぎるため、納得は全くできない。
鬼の死体が累々と積み重なっている様子はぞっとする。
しかし、岩崎夏海の解説が先にあり、影山徹はそれに沿って描いたのだろう。岩崎夏海の解説が大いに面白いと感じられる人にはいいのかもしれない。
子どもに読ませる必要は全くない。福音館書店の松居直のでよいと思う。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年11月5日
- 読了日 : 2017年11月5日
- 本棚登録日 : 2017年11月5日
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