何かをきっかけにバックパッカーになって外国を放浪する人はいる。何不自由ない生活を一旦(また拾うにせよ)捨てて、日本の常識の通じない外国で自分で判断し、行動して体験するだけでも凄いと思う。
しかし、ここまでやる人は滅多にいないというか、武装解除の瀬谷ルミ子さんくらいしか(していることは違うが)知らない。
特に治安の悪いモザンビークでここまで人から裏切られながら、続けてこられたのはなぜだろう。
きっかけは親友の死に対する贖罪の気持ちだったと思う。が、エチオピアでたくさんの女性の死を看取ったことで、償いはできた、と私なら思うだろう。
現地の人のために頑張っているのに、大事なものやお金を何度も盗まれ、命の危険も感じ、差別され、脅される毎日だと、もううんざりだ、とならないところがすごい。旅立つまでは特に変わった経歴があるわけではないのに(売るために「渋谷ギャル店員」と書いてあるが、遊びもするけどちゃんと働いていたのだから立派だと思う)。行ったまま9年も帰っていないというのもなかなかできることではない。
しかし、この人がアフリカから戻って、関係ない仕事をしたとしても、この偉大さは消えるものではないと思う。
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- 感想投稿日 : 2023年5月15日
- 読了日 : 2023年5月15日
- 本棚登録日 : 2023年5月15日
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