一般に読まれている第七版を良く知っている人ほど、楽しめると思う。
初版のみに収録されている「子どもたちが屠殺ごっこをした話」「夏の庭冬の庭」(美女と野獣と同じ系統の話)なども興味深いし、七版との違いを発見するのも面白い。
「いばら姫」ではお妃の懐妊を予言するのはザリガニ。
「白雪姫」「ヘンゼルとグレーテル」を殺そうとするのは実母。
このへんはよく知られてると思うけど、「ホレおばさん」は雄鶏が鳴くシーンがなくて物足りない。
「灰かぶり」なんかは七版とはかなり違う。七版では豆を拾わせるのは継母だけど、こちらは姉娘。姉娘たちの腹黒さが七版より詳細に描かれ、ハトに目をつぶされてしまうのも納得だな、と思ってたら、目をつぶされるシーンがない。
ちなみに七版でも親指やかかとを切り落とすシーンはあります。
まず、七版を読んでから初版を読んだほうがいいと思う。
知らずにこれを初めて読んで「初版はグロテスクだ残酷だ」って言われてもね。いや初版じゃないのも読もうよって感じ。
小澤俊夫の研究書なんかと合わせて読むとより楽しめそう。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年3月15日
- 読了日 : 2013年3月15日
- 本棚登録日 : 2013年3月15日
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