星の王子さまの世界 (中公文庫)

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本棚登録 : 29
レビュー : 4
著者 :
baertsさん  未設定  未設定

『星の王子さま』は「童心」について書かれたものであり、厚顔な錯覚にすぎなくても「童心」が残っていると思うことで誰でも著者を自分の味方にすることができる。ほかならぬ当人が告発されているにもかかわらず。


冒頭からこのような強烈な皮肉を浴びせてくる。なぜ皮肉なのか。『星の王子さま』を読んだ人の多くは「童心」について書かれたものだと思うからだ。

しかし塚崎氏はそのような読み方を作品そっちのけの読みだという。作品のなかで何度も批判している。


塚崎氏は当時の社会状況、つまり第二次世界大戦に注目する。するとこの物語の印象は大きく変わる。ボア、バオバブ、薔薇のトゲなどにはちゃんと意味があると考える。


私が深く考えずに読み進めたところにこんな深い意味があったのかと、とても感動した。もちろんサンテグジュペリが何を考えていたのかは知るよしもない。しかし豊富な資料から考えぬかれた意見は鋭くて説得力もある。また塚崎氏の読書論も興味深い。

レビュー投稿日
2006年11月5日
本棚登録日
2006年11月5日
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