猟奇的行為が日常のように起こり、主人公の小田桐は外からも内面から責められ、狂う手前で踏ん張っている。ヒロインの繭墨あざかはデレることもなく、ただただ冷静で非情。この点にブレがないことはこの作品の生命線だと思うが今回も安心して読むことができた。1巻以来、対峙することになった、あさととのクライマックスを迎えた。4巻ともなると私自身かなり醜悪な雰囲気になれてしまい、やや様式美的な空気に緊張感が薄れてきていたが、大半を小田桐だけに行動させた今回の演出は良かったと思う。3巻まで読んできた人ならこの巻は必読だろう。
なお、この後、短篇集が出て、次回本編では大きく舞台を変えるようである。ラノベでのホラー系は私自身読んでる数が少なく、どのくらいのレベルにあるのかは明言できないが、物語の中の世界を末端まで描き切るほどに続くことを期待している。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
一般向けラノベ
- 感想投稿日 : 2011年3月6日
- 読了日 : 2011年3月3日
- 本棚登録日 : 2010年11月27日
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