テンペストは幕末の琉球王朝を舞台にした物語でしたがトロイメライは同じ時代の那覇を舞台にした庶民の人情物語。
テンペストみたいな壮大なスケールはありませんが、市井の人たちの雑草のごとく生きるたくましさ、貧しいながらも明るく生きる毎日が新米岡っ引き武太を中心に生き生きと描かれた秀作に仕上がってます。
大貫長老、部分美人三姉妹、わがままジュリの真加那、謎の覆面黒マンサージと熱血漢武太を取り巻く脇役陣のキャラも光ってますね。
ストーリーとは直接関係ないのですがテンペストの登場人物が随所にサービス出演しますのでテンペストを読んでるほうが楽しめるでしょう。
読み終わったあと沖縄料理と三線の島唄が恋しくなる素敵な連作短編集でした。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
池上 永一
- 感想投稿日 : 2010年9月28日
- 読了日 : 2010年9月28日
- 本棚登録日 : 2010年10月2日
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