従来の民俗学でタブーとされていた領域に、若き日の宮田登氏が取り組んだ力作であり、私にとってあまりにも興味深いテーマを扱った一冊。
白山信仰に性差別(穢れに関わる)。ケガレとは「ケ枯れ」が起源だ、とはよく聞いた話だが、それが「ハレ・ケ」とどういった三者関係を結ぶのか、なぜそれが「汚穢」としてのケガレに結びついていったのかなどなど、著者渾身の論文が並ぶ。
著者がご存命の頃、私の目はたぶんまだ曇りっぱなしだった。差別とはどこか言葉の上のもののような感覚で捉えている甘い奴だった。
もっと早くにこれら民俗学の仕事に出会っていれば少しは違っていただろうか。いや、これからでも遅くない、見えないけれどそこに確かにある、これらの現象に改めて向き合い考えることを続けていこうと思った。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
歴史関係
- 感想投稿日 : 2012年7月27日
- 読了日 : 2012年7月27日
- 本棚登録日 : 2012年7月27日
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