急に具合が悪くなる

  • 晶文社 (2019年9月25日発売)
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本棚登録 : 1709
感想 : 124
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とてもいい本でした。

最後の方は涙ぐんでしまう、それは死んでしまう悲しみでもあるが勇気と覚悟によって偶然性を引き受けて、約束を果たそうとする2人の姿勢によるものなのだろう。

ラインと連結器の話に関して何かしっくり来る自分の中のそれに当たる事柄がうまく出てこない。しかし、今までの自分とこれからの自分に対して、これからの自分が網の目の中に生きて行くことを自覚するために必要な言葉だと思う。
網の目とは、本書214頁の「人は自らが紡ぎ出した意味の網の目の中で生きる動物である」、意味の網の目=webs of significance。

この言葉とその文脈も指している意味も違うが、以前、人間関係網目の法則という言葉に「君たちはどう生きるか」を読んで出会った。そのシーンでは、コペル君が眺める銀座とそこから広がる世界を想像し、影響を受けたが、またこうした形で網の目という表現に出会うとは。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文化人類学
感想投稿日 : 2022年2月1日
読了日 : 2021年10月30日
本棚登録日 : 2021年9月7日

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