愚者の毒 (祥伝社文庫)

  • 祥伝社 (2016年11月11日発売)
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感想 : 115
5

これをミステリと言って良いのかどうか...(^ ^;

「探偵役」が謎を解いていく、と言うよりは
読者にとって秘密にされていた事柄が
徐々に解きほぐされていく、という謎解き(^ ^;

一言で言うと「運命のイタズラ」って奴ですか(^ ^;
え、まさか、そう来るの、の連続(^ ^;
でも、なるほどそういうことだったかと理解した後に、
前半に戻ってみると腑に落ちたり。

(割と)穏やかな現在の描写と、
これでもかという不幸に見舞われる過去の描写が、
パラレルに進んでいく構成。

が、穏やかに見える現在にも、通奏低音のように
過去の「影」が常につきまとっている。
それだけに、日常の「何気ない幸せ」のシーンが
妙に泣ける(^ ^;

人間の強欲さ、罪深さ、狡さ、そして弱さ脆さ。
それら全てが針を振り切らんばかりに襲いかかる
「過去」の描写は、見ていて心が痛い。
歪んだ部落暮らしの民と、「向こう側」の大学生の
対比が秀逸。ひねくれた心象描写もリアル。

最後の最後、そこまでするか、という感じの
怒濤の暴露まで、もうお腹いっぱい(^ ^;
人間って、コワイ(^ ^;

例によって「ミステリなので」、具体的なことは
何一つ書けませんので、あしからず(^ ^;

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ
感想投稿日 : 2017年10月6日
読了日 : 2017年10月5日
本棚登録日 : 2017年10月2日

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