尊王攘夷を唱えながら、倒幕すると、いち早く欧米列強に近づく新政府の矛盾。
今の世にいるのは、主君への忠義心を忘れ、その後ろめたさを隠すために、ことさらに尊王を唱える化け物ばかりだという春嶽の言葉。
一時は新政府の中枢にいながら、士族らと西南の役を起こし、降伏することなく命果てた西郷の生き方。
中庸な春嶽の目を通す形で、対比して示してくれた作者の視点に、歴史の流れを見る鋭さを感じた。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2021年10月28日
- 読了日 : 2021年10月28日
- 本棚登録日 : 2021年10月28日
みんなの感想をみる