博士号を持つエリートなのにノンキャリ刑事という異色の警察官沢村依理子シリーズ第二弾。
大学構内で起こった爆弾事件、狙われたのは学長。この事件の捜査のため捜査一課に突然異動になり、しかも班長に任命された沢村と、彼女の下で動くことになった部下たちの交錯する思いを横軸に、大学創設時の学長任命に関する不可解な動きを縦軸に物語が進む。この絡み具合が絶妙。
誰が何のために起こした爆発事件なのか。「数学」という学問の「研究者」たちの思考を想像していく沢村の、彼女でさえ躓くジェンダーというバイアス。それでも壁を崩すほころびを見つけたのはやはり沢村が沢村であったからこそ。このシリーズ、沢村の成長小説としても楽しみすぎる。
読書状況:読み終わった
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2023年1月
- 感想投稿日 : 2023年1月26日
- 読了日 : 2023年1月26日
- 本棚登録日 : 2023年1月26日
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