ディア・ペイシェント

著者 :
  • 幻冬舎 (2018年1月25日発売)
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感想 : 47

いつからだろう。病院で患者が「様」付けで呼ばれるようになったのは。
それまでの、患者は病院に対して何も言えない、医療者の言うがまま、という状況から、きちんと質問ができる、不満があれば伝えられる対等な立場になったことは良いと思う。が、この小説にあるようなまさにモンスターペイシェントへの対応に医療従事者が疲弊しているなんて、あり得ない。なにか勘違いしているんじゃないか。過剰に下に出る必要はないけれど、けれどやはり自分の身体や心を診てくれる医者たちへ最低限の敬意は持つべきだろう。患者が傲慢になることで、最終的に自分たちへの医療の質が落ちていくのだ、となぜわからないのだろう。
医者や看護師、その他コメディカルの人たちが、一般的なサラリーマンとは違う「矜持」で働いているのは確かだ。けれど、それに対してそれを当然だと思ってしまうのは患者の身勝手以外の何ものでもない。医者だって看護師だって、人間なのだから。
医者が患者の求める医療を求める範囲できちんと対処できること、その当たり前が当たり前にできる医療で会って欲しい、そう思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2018年1月
感想投稿日 : 2018年1月27日
読了日 : 2018年1月27日
本棚登録日 : 2018年1月27日

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