読み始めて2ページめで知った主人公の状況にまずは絶句。これは辛く悲しい物語じゃないか、そんな心の準備してないぞ、やばいやばい、と思いつつ読む。
身近な人を見送った経験のある人にとって、これは読むのが辛い物語ではあるけれど、読み終わった後、きっと「読んでよかった」と思えるはず。
私も読みながら、見送った人たちとのあれこれを思い出し、涙が止まらなかったけれど、今、ものすごくさわやかな気分だ。
後悔はある。もし、ライオンの家のようなところがあったなら、そこで最期の日々を送ってもらえたなら、と…
でも、誰にでもやってくる最期の日々はそれぞれが自分で作るものであり、他の誰かに用意してもらうものではないのだ。まだまだ先だと思っているけれど、自分にとってのその日が来る前に、ちゃんと準備しておきたい、とそう思った。
マドンナや六花に見守られた雫の最期の時間を、私も、私の大事な人も過ごせますように、と。
あぁ、そうだ。私なら、どんなおやつをリクエストするかな。どんなエピソードを書くかな。
いま、とても優しい気持ちでそれを考えている。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
2019年10月
- 感想投稿日 : 2019年10月16日
- 読了日 : 2019年10月16日
- 本棚登録日 : 2019年10月16日
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