愛を知らない

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本棚登録 : 488
レビュー : 50
著者 :
べあべあべあさん 2019年6月   読み終わった 

『1ミリの後悔もない、はずがない』を読んだとき、「あぁ、このヒトの描く世界、好きだ」と思った。
最初のイメージ(ちょっとラノベとか若い子向けの物?)があっというまに崩れ去り、というか、崩れ去る前にその世界にどっぷりと浸りきっていて。このヒトが描く世界、もっと読みたい。もっと浸りたいと焦りに似た気持ちが湧き上がってきたのを思い出しました。
そして今回、ちょっと不安でもありました。『1ミリ』があまりにもよすぎてあの世界を超えられるのか、あるいはあの世界にもう一度連れて行ってくれるのだろうか、と。
杞憂でした。一木さん、すごいです。高校の合唱コンクール、というよくある青春モノの舞台を、さわやかさとか友情とか熱血とか、そういうものをばっさりと切り捨てて、ヒトの心のど真ん中にある「芯」のようなものにまっすぐ目を向けて。
「善なるもの」が必ずしも正しいとは限らない。というよりも、「善」であるために切り捨ててしまうもの、「善」であろうとして見失ってしまうもの、それを高校生が自分たちの手の届く範囲で正そうとするその姿に激しく心を揺さぶられた。
結果オーライなラストはいらない。ご都合主義な笑顔もいらない。一木さんのまっすぐな視線をただただ受け止めて本を閉じた。

レビュー投稿日
2019年6月20日
読了日
2019年6月20日
本棚登録日
2019年6月20日
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