戦国大名間での交渉を担当者「取次」を軸に解説した学術書。とはいえ、史上有名な駆け引きを事例として読みやすいので、戦国大名とくに甲斐武田氏と薩摩島津氏、それらの近隣大名に興味のある人にオススメ。他勢力との折衝を、接する地域を領有あるいは委託された大名従属者と当主側近ないしは宿老が共同で担当する仕組や、交渉途中での紆余曲折は現代の他勢力との交渉と同じ感覚のように思う。
本書では触れていないけど武田と最後をともにしなかった穴山、小山田が外側の取次だったこと、亡国の臣という描写の多い武田信豊、長坂・跡部が内側の取次だったことは武田氏の呆気ない崩壊を考える切り口として面白そう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
戦国時代末期
- 感想投稿日 : 2014年2月28日
- 読了日 : 2014年2月28日
- 本棚登録日 : 2014年2月28日
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