明け方、眠りから覚めかけたころにみる夢のように、なんだかもあもあとした浮遊感のあるお話でした。ふわふわとした浮遊感ではなく、もやもやとしたでもない、もあもあとした読み心地のする短編集でした。
9つの物語は、すべて水に関連していて、生と死が混在しています。この世と異界との境目もあやふやです。命あるものはいずれ終わりを迎え、形あるものはいつの日か崩れ去り、跡形もなくなる。そんな当たり前のことを、当たり前のこととして受け入れられないから、人の営みって面白味があるんでしょうネ。真実なんて探し求めたところで、どこにもないのかもしれません。当たり前のことを、当たり前のこととして受け入れたとき、さらに面白みが増すような気もしないではありません。
べそかきアルルカンの詩的日常
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べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え”
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べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
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読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本文学
- 感想投稿日 : 2019年1月21日
- 読了日 : 2019年1月21日
- 本棚登録日 : 2019年1月21日
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