「東西ミステリーベスト100(1986年版)」の日本篇において、第40位に選ばれていた作品。
同書による本作品の〔うんちく〕を抜粋すると、
昭和三十三年、映画「情婦」を観た二十四歳の著者は憤慨した。「なんて低俗な題だろう!」と。原作はクリスティーの「検察側の証人」。しかし配給会社は「この題では犯人が割れてしまう」と考えて「情婦」と名づけたという。「よし、私はこの題でも犯人の割れないミステリーを書いてみせる」と決心して、「弁護側の証人」が生まれた。
とあり、そのことも念頭に置いて読み進めました。
その結果、「検察側の証人」とは異なるトリック(登場人物が仕掛けたわけではない)に見事騙され、第40位に選ばれたのも当然だなと感心しました。
また、「この題でも犯人の割れないミステリーを書く」という決心を、高いレベルで達成した小泉喜美子さんに敬意を表したいと思います。
不慮の事故により、51歳という若さで鬼籍に入られたのが残念でなりません。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年1月21日
- 読了日 : 2024年1月21日
- 本棚登録日 : 2024年1月12日
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