越前の村で育つ男の子の、小学1年から中学1年まで。三人称小説ではなく、男の子が語るのでもなく、彼が思ったこと、そのときに思い出した過去のことが切れ目なく記録されている形式なのが独特。6歳の時は6歳の範囲でしか世界が見えないので、読み始めてしばらくはなにがなんだかわからなかったけれど、「これは6歳児の頭の中なんだ」とわかってからは面白くてたまらなかった。子供の頃の、わけもなくおもしろかったりこわかったりする気持ちや、世界に対する信頼感が思い出されて。主人公の男の子は知らないことは知らないままで、少しずつ世界を広げながら地に足をつけて育っていく。そういう健康さに触れると、自分も少しまっすぐになれる気がする。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本 - 小説/物語
- 感想投稿日 : 2016年1月25日
- 読了日 : 2016年1月25日
- 本棚登録日 : 2016年1月25日
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