450ページを超す分厚さであり、多くの話は男が怪異に出会って恋に落ちたり成功したりのワンパターン。なのにおもしろくて、すいすい読んでしまった。グリム童話が面白いのと同じで、無意識がよろこぶ物語の原型があるのかもしれない。
たいてい主人公は生員(科挙の予備試験に受かった人)で、将来は開かれているけれどまだ何も成し遂げていない。そんなからっぽな彼がいっさいの紆余曲折を経ず絶世の美女といい中になったり、離れ離れになっても伏して泣いていると戻ってきてくれたり、まあ都合がいいんだけど楽しい。当時の人たち(いや蒲松齢がか)はこういう展開が気持ち良かったんだろうな、と思うとのんびりした気持ちになった。
今回いくつかの話は既読だったけれど、初読のときと同じように面白かった。昼寝を何回しても楽しいように、たぶん『聊斎志異』は何回読んでも楽しい。いろいろな編訳で出版されているので、そのときちょうどいい厚さの本を選んで読んだらいいと思う。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
中国 - 物語/小説
- 感想投稿日 : 2013年1月12日
- 読了日 : 2013年1月12日
- 本棚登録日 : 2013年1月12日
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コメント 2件
猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2013/04/01
なつめさんのコメント
2013/04/01