騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編

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本棚登録 : 4168
レビュー : 509
著者 :
なつめさん 日本 - 小説/物語   読み終わった 

感触は『羊をめぐる冒険』。変なしゃべり方のキャラもかわいくてマイペースな美少女もスマートで得体の知れない男も、春樹キャラそろい踏みで、原点回帰なのかも。

それはそれとして。主人公が極度のボンクラ設定なのか村上春樹が渡辺淳一化したのか、妻と別居したらさっさとセフレを作るわ、去った妻の思い出を言語化すれば肉体的なことばかりだわ、おっさんの欲望に正直なのかもしれないがじつに幻滅である。80年代からさんざんおしゃれにやってきたのに、けっきょくそれかよ、今までのもポーズだったのかよ、というね。

そして。とにかく口を開けて待っていれば事態が動くのは大変おめでたいことで、仕事をうっちゃっても関係者はやさしく放っておいてくれるし、人妻や美少女が<私>だけに心を開いてつまんない冗談にクスクス笑ってくれるし、誰かがやる気を引き出してくれるし、実に都合がいい。

さらに。言い回しが一本調子であること(主人公の麻痺の表現なのかもしれないが)、会話に人間の息遣いが感じられないことがかなり気になる。もう細かいところに配慮する体力がないのか春樹。

と、不満は多いけれど300ページを過ぎたあたりからストーリーに動きが出てきたので、第二部は集中して読めそう。気になることを気にしなければ楽しく読める。どういう読書をしているのかと思ってはいる。

レビュー投稿日
2017年3月28日
読了日
2017年3月27日
本棚登録日
2017年3月28日
4
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