赦しへの四つの道 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

  • 早川書房 (2023年11月15日発売)
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感想 : 11
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人種や性に基づく差別に苦しむ人の個人史的な短編が4つ。ハイニッシュ・ユニバースでの出来事として語られてはいるけれど、地球で起きていることと変わりない。その先に、SF的な跳躍後の良い世界が感じられなくて、読むのが苦しかった。

そして自分の好みからすると、主人公たちが真面目に過ぎ、健康な性欲を持ち過ぎていた。それぞれの話の主人公がそれなりに良きパートナーと結ばれて「めでたしめでたし」な終わり方になっていたのは、想定された読者にとってご褒美だったのかもしれない。でも、そういうピカピカの相手を選び選ばれれば人生が完結するとは信じられない。物語の舞台と登場人物の真実らしさの度合いが、奇妙にアンバランスな短篇集だったように思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 英米 - 小説/物語
感想投稿日 : 2024年1月9日
読了日 : 2024年1月8日
本棚登録日 : 2024年1月9日

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