平家物語 1 (河出文庫 古典新訳コレクション)

  • 河出書房新社 (2023年10月6日発売)
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本棚登録 : 206
感想 : 10
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今年一年かけてアニメと大河ドラマを見て、厳島神社にお参りして、満を持して読み始めた。それでも平と藤原が多過ぎると感じるが、主要キャラはまずまずわかる。予習しておいてよかった。

『平家物語』の成立過程を知らないまま書くが、後世の人たちがあのエピソードもこのエピソードも入れたい!と編集のへの字も考慮せずにぞろぞろくっつけていったようで、起承転結や展開のリズムはない。ひどく情報通なおしゃべりおじさんが全エネルギーを投じて知っていることを全部話します、みたいな感じなので、そういうものと思って毎日数章ずつ、のんびり読んだ。

男の人が良く泣き、お坊さんが強訴をやる。平安時代を感じる。平重盛が、きっと平家は滅亡するから自分の死後お弔いしてもらえるように、と中国のお寺に寄進するエピソードがおもしろかった。そして皇族が自分に敬語を使うのも、毎回「おっ」となる。いつもじゃないんだよ。まだ法則性がわからない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本 - 小説/物語
感想投稿日 : 2023年12月18日
読了日 : 2023年12月16日
本棚登録日 : 2023年12月18日

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コメント 3件

kaonioさんのコメント
2023/12/18

なつめさんのおっしゃるとおりで、自分に敬語を使う後白河法皇の台詞に思わずクスッとしてしまうのだけれど、原文もあんななんだろうか。
古川日出男さんの創作とも思えないのでやっぱりそうなんだろうな。

なつめさんのコメント
2023/12/18

kaonioさん
古典の現代語訳で、セルフ敬語に出会ったことがなかった気がします。古川訳だとユーモラスに感じますね。ほかの訳だとどうなんでしょうね。

kaonioさんのコメント
2023/12/18

そうか、この古川訳ならでは、かな。
ありがとうございます。

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