新聞に紹介されていたので一般向きと思って手に取ったのだけれど、社会学をやっている人向きだった。かいつまんで教えてよーという気持ちでわからない個所は飛ばしながら読んでしまったのだけれども、門外漢でも面白く読める個所がいくつか。
「近代家族」の規範の、ロマンティックラブ・イデオロギーについての説明が興味深かった。愛・性・生殖をセットにして結婚でくくるって、うまくいけばいいけど、いかないことが多そう。三点が揃わないことで苦しむことはままあるだろう。でも、「こんなの明治以降の流行りだし」って思って真に受けないでおくという選択肢もあるのだ。
日本の社会制度は「近代家族」を単位に設計されているから、規格外の道を選ぶと割りを食うことがあるだろう。でもそれは現在の日本の規則であって、絶対的な真理ではない。それを知るだけでもちょっと気分がいい。
「人間はそういうもの」「日本人は伝統的にこうやってきた」というようなもやんとした「常識」に違和感があったら、その違和感は持ち続けていい。そういう違和感を研究して、成果を出しているひとたちがいるのだからありがたい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
社会
- 感想投稿日 : 2011年11月19日
- 読了日 : 2011年11月19日
- 本棚登録日 : 2011年11月19日
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