三つの小さな王国 (白水Uブックス 137 海外小説の誘惑)

  • 白水社 (2001年7月1日発売)
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本棚登録 : 246
感想 : 24
5

ある種の才能が飛び抜けていても世渡り力/生命力に欠ける人たちの、眩い夢のような「こういう風にしか生きられません」ストーリー。

「J・フランクリン・ペインの小さな王国」が思春期に読んだ少女漫画並みにキラキラしていてすてき。大昔に感じた、世界が美し過ぎて、胸が苦しいような気持ちが思い出される。

「王妃、小人、土牢」は、王妃たち(やや類型的な)主要人物より、川のこちら側から城を眺める町の人の視線・物語に対する考え方が面白かった。

「展覧会のカタログ」もギリギリの四角関係がどうなってしまうのか、息を殺すようにして読んだ。終わり方がちょっとざっくりし過ぎているような気がするけれど、これくらいやってしまったほうが、現実感がふわっと薄れるような効果があるといえばあったかも。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 英米 - 小説/物語
感想投稿日 : 2011年6月6日
読了日 : 2011年6月10日
本棚登録日 : 2011年6月10日

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コメント 4件

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2012/09/20

「「こういう風にしか生きられません」ストーリー」
そんな感じですねぇ~
「小さな王国」の目が回るような感じが快感でした。

なつめさんのコメント
2012/09/21

何冊か読んだミルハウザーの短編の中では「J・フランクリン・ペインの小さな王国」が一番のおきにいりです。

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2012/12/13

「J・フランクリン・ペインの小さな王国」
素晴しいですよね!
モデルとなったウィンザー・マッケイが描いた「リトル・ニモ」が復刊(訳者が違うから、新訳と言うべきか?)されるのですが、高過ぎて手が出ません(「初期アメリカ新聞コミック傑作選1903-1944」4巻+別冊。限定1000セット!創元社)。。。

なつめさんのコメント
2012/12/13

限定1000セットにしておかないと採算が取れないということなんでしょうかね。廉価版もあったらいいのに

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