(059)客 (百年文庫)

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本棚登録 : 36
レビュー : 8
なつめさん 日本 - 小説/物語   読み終わった 

「馬」の読書会のために読んだ。このシリーズはテーマが同じでも3つの味が楽しめるしさっと読み終われるしよいですね。

吉田健一「海坊主」:この人の文章はふわっと読み進めさせる謎の推進力があって、1周目はその力に乗ってぼんやり読んでしまった。2周目は海坊主の海坊主らしさをそこかしこで味わえて楽しかった。昔の人はよく食べよく飲みますね。吉田健一だからかもしれないけれど。
牧野信一「天狗洞食客記」:俺は駄目だ男パニック系作家として牧野信一はとてもよいのだけれど、なにせいつもテンパっているので読んでいて疲れてしまう。しかしこういうアンソロジーで一つだけ読むとちょうどよい感じ。本作は基本のテンパりの合間合間に庭や女中さんの美しさがみずみずしい文章で挟まれるのがよかった。天狗洞のシステムもふざけていて可笑しい。牧野信一にはもっとふざけて長生きしてほしかった。
小島信夫「馬」:この夫婦、たぶんこれはこれで愛しあっているんだろうなと思いつつ、戦前と戦後の意識の転換のなかで身動きが取れなくなっているさまがいじらしく可笑しい。お互いを必要としているのにどうしようもなくコミュニケーションが取れない二人。

レビュー投稿日
2018年9月30日
読了日
2018年9月29日
本棚登録日
2018年9月30日
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