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シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成 (NewsPicksパブリッシング)
- 安宅和人
- ニューズピックス / 2020年2月20日発売
- 本 / 本
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AI×データ時代の世界的な産業のゲームチェンジに日本がどれほど乗り遅れ、やばい状況にあるのか。色々やばいが、とりわけ科学技術分野の発展に不可欠な教育研究開発への投資が、他国と比べていかに日本は壊滅的か。冒頭で、ショッキングな日本の実情を改めて突き付けられる。
しかし、こんな壊滅的な状況にある日本だが、再び復活するための伸びしろは十分にあると主張する。日本が乗り遅れたのはAI×データ時代の第1フェーズだが、、次にやってくる第2,3フェーズで巻き返せる余地があるという。
そんな逆転を仕掛けるカギは、仏教の輸入や明示維新、戦後経済成長などにみられる、乗り遅れても一気に最先端に追いつく日本の伝統的なキャッチアップ力。その力を発揮して第2,3波で巻き返すために、データ×AIの力を解き放てる人材を育てるの重要性、そしてそこに投資を国家的に回すための現実的な方法を、多くのデータや概念図を用いて説明している。
ここまで具体的な数々のデータを示しながら、問題の整理と現実的な解決策を提示していくのは、すごい仕事だと思ったし、自分自身、理系学生として、自分がどんな力をつけて社会に還元していくことが求められるかを改めて捉え直すとてもいい機会になったと思う。
もともと、数年前から著者である安宅さんはこの本の内容を主張してきたらしいが、はやく本にまとめないとやばいですよ、間に合わなくなりますよ、と言われて本でしか届かない層に届けるために、と執筆が始まった一冊なんだとか。話題になっていたのは知っていたが、もう少しはやく読んでいたかった本。
2021年3月9日
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図解入門 よくわかる最新 量子コンピュータの基本と仕組み 数式なしで学ぶ未来のコンピュータ (How-nual Visual Guide Book)
- 長橋賢吾
- 秀和システム / 2018年9月26日発売
- 本 / 本
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量子コンピュータについて勉強してみたかったので入門のつもりで購入。
あくまで入門として、量子コンピュータといっても色々あるんだ、こんな用語があるんだ、くらいの表層的なイメージをゼロからつくるには丁度良かった感じ。仕組みはこの本の説明では正直分からない。
でも、原理的な理解はさておき、量子コンピュータのどのタイプにどんなメリット・デメリットがあるか、どんな応用ができるか、各国・各会社が量子コンピュータの分野でどんな戦略を描いているか、という応用の側面についての説明が参考になった。個人的には理論的な側面に入り込む前に実用面をおさえておきたかったので丁度よかった。
2021年2月24日
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生物の中の悪魔 「情報」で生命の謎を解く
- ポール・デイヴィス
- SBクリエイティブ / 2019年8月23日発売
- 本 / 本
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大学生協の書店の情報学系のコーナーにあった生物の本で気になって手に取ってみた。
生物を、「情報」を保持・処理している実体として、「情報」という観点から捉え直すと、生命現象をもう少し物理学の言葉でうまく理解できるのではないか、ということを論じている。
生命体は、まだ人類が発見していない、物質と情報を繋ぐ物理的諸原理を体現しているのではないか、もう少しでわかるところまで来ているのではないか、という話にワクワクした。こうした観点から生物と情報を結びつけて研究するのも面白そうかもと思ったり。
前から気になってたけど改めてシュレーディンガーの『生命とは何か』を読んでみたくなった。
2021年2月24日
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Amazon Web Services AWSのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書 (図解即戦力)
- 小笠原種高
- 技術評論社 / 2019年11月7日発売
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勉強のために購入。図や用語の解説が豊富で、AWSの基本的な概念をスムーズに学べた。クラウドサービス自体の知識が浅かったので、今まで曖昧だった用語とその概念の体系的な整理ができた。
2021年2月24日
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スマホ脳 (新潮新書 882)
- アンデシュ・ハンセン
- 新潮社 / 2020年11月18日発売
- 本 / 本
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スマホはいかに生物としての人間の脳の報酬系をハッキングし中毒化させ人間の脳機能に悪影響を与えているか
を、近年の研究事例を踏まえて、スウェーデンの精神科医が説明した本。
アフリカの狩猟採集民として進化した人間の生理学的心理学的欲求が
カロリーがいくらでも得られてしまう現代では人間を肥満に対して脆弱にしているのと同様に、
SNSなどを通して未知の情報や他人の評価などにいくらでも晒される現代の状況が
人間をスマホに依存させ精神的ストレスを与えたり脳機能低下をさせたりしている。
そのようにスマホが中毒性を持つのは、IT企業ができるだけユーザーを長い時間スクリーンにとどめさせ広告主たちに我々の注意力を売りつけるための仕掛けをほどこすようにしたきたからだという。
興味深かった例として、SNSの起動時やフィードを最新状態にアップデートするときに1,2秒かかるのは、
それがドーパミン分泌を最も活発にする「焦らせ」であり、専門家を雇ってそういった仕掛けを開発して
我々の脳をハッキングしているのだという。
でもせっかく我々に恩恵ももたらすはずのテクノロジーは、人間を中毒状態にさせるようなやり方じゃなくて、
もっと健全に人間が付き合っていける開発の仕方があるよね、ということを提案している。
いかに自分がスマホ中毒になっているかに向き合うので、読んでいて胸がチクチクした(笑)
2021年2月14日
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DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール
- ビル・パーキンス
- ダイヤモンド社 / 2020年10月1日発売
- 本 / 本
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アリとキリギリスの話で、アリはいつ遊ぶのか、という観点で、人生を豊かにする経験を最大化させることについて論じた本。アリすぎてもいけないし、キリギリスすぎてもいけないし、その間に人生の最適化のポイントがある。
人生で今しかできない経験を自分は人生の各ステージでどれだけしてきたか、そうした経験をコストとのトレードオフも考えながらこれからどう最大化していくかを考えさせられた。
2021年2月24日
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仮説思考―BCG流 問題発見・解決の発想法 内田和成の思考
- 内田和成
- 東洋経済新報社 / 2006年3月31日発売
- 本 / 電子書籍
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”情報が多ければ多いほど、よい意思決定ができるというのは、間違った思い込みである。”
”迅速な意思決定のためには、いまある選択肢をいかに絞り込めるかという視点で情報収集すべきなのだ。”
できるだけ多くの情報を徹底的に集めたり分析してみてから問題は何か、解決策は何かを考えようとしてしまいがち(網羅思考)だが、それでは情報の洪水に溺れてしまい時間切れとなってしまう。そうではなく、限られた不完全な情報から仮説を立て、それを検証するために情報を集め、仮説が間違っていれば軌道修正していって仮説を進化させ、効率的に問題の本質・解決に迫ろうという考え方(仮説思考)。
情報に溢れている今の時代に、ビジネスだけでなく多くの場面で立ち返りたい考え方だと思った。
引用されていた羽生善治さんの言葉が印象的。
「判断のための情報が増えるほど正しい判断ができるようになるかというと、必ずしもそうはいかない。私はそこに将棋のおもしろさのひとつがあると思っているが、
経験によって考える材料が増えると、逆に、迷ったり、心配したり、怖いという気持ちが働き、思考の迷路にはまってしまう。将棋に限らず、考える力とはそういうものだろう。」(羽生善治から見える世界
~「勝つ頭脳」はこうして決断する~
https://www.idesnet.co.jp/habu/book.html)