ブラック・アゲート

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本棚登録 : 239
レビュー : 55
著者 :
凪野基さん 本・雑誌   読み終わった 

65:上田さんの最新刊。蜂が人体に卵を産みつけ、その孵化に伴って産生される毒素によって人が死に、死体を食い破って新たな蜂が生まれる……という、虫が苦手な私は想像するだけで鳥肌がたつのですが、そんな「アゲート蜂」による災禍に見舞われている日本、という設定でした。蜂を殺虫剤で殺すことはできても、産み付けられた卵を殺すような薬もなく、毒素によって「蜂症」を発症することも止められず、という悲惨な状況下で、行政による有効な対策手段もないまま、日本は大混乱に陥ります。そんな中、アゲート蜂が見つかっていなかった瀬戸内の小島にも、蜂症で亡くなったと思われる人が現れ――。
アゲート蜂禍と戦う話ではなく、あくまで人と人との対立、立場の相違から来る意見のぶつかり合いを描いた骨太の物語でした。そのため、「蜂は見事に退治されました、めでたしめでたし」とすっきりした終わり方ではないのですが、「華竜の宮」のときもそうであったように、困難に立ち向かう人々の姿に胸を揺さぶられます。

レビュー投稿日
2018年10月8日
読了日
-
本棚登録日
2018年10月8日
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