状況曲線 (下) (新潮文庫)

  • 新潮社 (1992年1月29日発売)
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感想 : 13
5

上巻で起こった二つの殺人の嫌疑が自分にかかることを恐れ、ノイローゼ気味だった味岡の死体がダムで発見され、慶次が操作を始めていくところから始まる。自殺だと考えられていたが、不審を抱いた刑事の矢田部が味岡の周囲から操作を粘り強く続けていく。
矢田部の捜査を黒幕達が先回りするかのように難を逃れていく部分がたまらなく面白い。しかしながら、刑事のプライドと経験から黒幕の裏の裏をかいて矢田部たちが追い回していく。
今でもニュースになる談合事件。作品は古いが内容は古さを感じさせない。刑事と黒幕の緻密な計算による殺人事件は松本清張ならではの面白さだと思う。

今日の味方は明日の敵。建設業界と政界の闇を見れて面白かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー小説
感想投稿日 : 2015年10月31日
読了日 : 2015年10月24日
本棚登録日 : 2015年10月31日

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