40年周期で起こる日本のリスクマネジメントの失敗という問題は妙に刺さる。そして対策が先送りされた結果の人口減少、債務の累積は、もう手遅れなのか。
2023年8月20日
-
民主主義 (角川ソフィア文庫)
- 文部省
- KADOKAWA / 2018年10月24日発売
- Amazon.co.jp / 電子書籍
- 購入する
読むべしといった書評を目にしたことをきっかけに、電子版で読み始めた。戦後のGHQ占領下での文部省による「民主主義」ということで、薄いパンフレットのような書き物と思ったら、民主主義とはなんぞやから延々と話は続く。400ページを超える書物であった。明治初期から民主主義の考え方がだんだんひろがりつつあったのに、いつのまにか軍国主義に染まって日本滅亡の一歩手前までいってしまったことの無念さがある一方で、戦後の復興に民主主義にかける熱い思いが文章のいたるところに出てくる。全体として、論理だった記述で、例を挙げて説明を尽くしており、民主主義を学ぶ上での良書と思う。
2022年11月3日
-
後悔を活かす心理学-成長と成功を導く意思決定と対処法 (中公新書 2692)
- 上市秀雄
- 中央公論新社 / 2022年4月19日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
マンスキーの意思決定理論で、不確実さのある状況下での意思決定手法としてミニマックス・リグレット基準を学んだけれど、この本で後悔と意思決定の関係をさらに掘り下げることができた。著者の赤裸々な体験談はむむむ。
2022年5月27日
-
不確かさの時代の資本主義: ニクソン・ショックからコロナまでの50年
- 宮川公男
- 東京大学出版会 / 2021年8月28日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
ニクソンショックからの50年の経済社会の変化、課題、教訓を克明に示されており、面白く読んだ。未来を考えるための学びとなる力作と思う。
2021年11月27日
-
市場の倫理統治の倫理
- ジェイン・ジェイコブズ
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 / 1998年7月1日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
名著だと思う。2つの倫理体系の存在は、ニーアル ファーガソンの「スクエア・アンド・タワー」にも通じる話だし、様々な実例を元に議論が示される。日本もいろいろと引き合いに出されるが、約20年前の著作のためか、中国の話がほとんどない。でも、やっぱり名著だと思う。
2021年8月5日
-
マンスキー データ分析と意思決定理論 不確実な世界で政策の未来を予測する
- チャールズ・マンスキー
- ダイヤモンド社 / 2020年9月29日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
限られた情報しかない、不確実な状況で意思決定する際に、どのようなデータ分析をすればよいのか、といった疑問について大いに参考となる。背景、理論、事例で構成されている点も役に立つ。
2021年6月4日
-
ロッキード疑獄 角栄ヲ葬リ巨悪ヲ逃ス
- 春名幹男
- KADOKAWA / 2020年10月30日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
面白くよんだ。読みやすい構成と思う。キッシンジャーの陰謀から児玉ルートへと話は白熱していく。あの頃の時代がよみがえる。巨悪によって現代日本が形作られているわけだな。角栄は巨悪でもなく、単に利権にまみれて葬られてしまった。
2021年3月20日
-
命の価値: 規制国家に人間味を
- キャス・サンスティーン
- 勁草書房 / 2017年12月23日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
アメリカではレーガン政権の時に、規制影響評価が大統領令で求められるようになったが、その実際の取り組み、考え方について詳細に説明が行われており、極めて参考になる。費用便益評価、カタストロフィックリスクについては特に興味深く読ませていただいた。誤字が多いことに驚いたが、内容が面白いので気にならない。類書はないと思う。
2021年1月17日
-
新型コロナの科学-パンデミック、そして共生の未来へ (中公新書, 2625)
- 黒木登志夫
- 中央公論新社 / 2020年12月21日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
新型コロナウイルスに関するわかりやすい解説で大変参考になります。参考資料や図表が理解の助けになります。紹介されていたグーグルの感染予測を見てみると東京都は1月21日まで増加し、その後減少し2月に入ると1500人ぐらいで推移しています。16日は4000人を超える予測だったけど、実際には2000人を下回っていたので、予測は更新されていくのでしょう。
2021年1月16日
-
スケール 下:生命、都市、経済をめぐる普遍的法則
- ジョフリー・ウェスト
- 早川書房 / 2020年10月15日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
副題は「生命、都市、経済をめぐる普遍的法則」とあるが、まさにこのような壮大な内容を扱っており、読みごたえがある。研究成果に基づくものであり説得力がある。いろいろと参考になる。キーワードは、複雑系、べき乗則、スケーリング則、ネットワーク、イノベーションなどである。人間、都市、企業などの成長、死について深く考察している。これらを統一理論でもって解明しようというわけで野心的である。著者は、理論とモデルの構築、検証、改善という科学的取り組みを基本としており信頼できる。とはいっても、訳者も言及しているけれど、ところどころ引っかかるところはあった。2011年福島地震のマグニチュード6.6とはなんだろう。
2021年1月4日
フィクションといわれても、同時代人にとっては、あぁーあれね、あの人ね、てな感じで記憶をくすぐられる。面白くて一気に読んでしまった。
2020年12月27日
-
ミハイル・ゴルバチョフ 変わりゆく世界の中で
- ミハイル・セルゲービッチ・ゴルバチョフ
- 朝日新聞出版 / 2020年7月20日発売
- Amazon.co.jp / 電子書籍
- 購入する
1980年代後半、冷戦終結、ベルリンの壁崩壊、ドイツ統一、それまで当たり前の世界と思っていたものが次々と変わっていった。ゴルバチョフの果たした役割は相当大きい。レーガン、ブッシュ、コール、ミッテラン、アンドレオッティらの西側のリーダたちとの対話の記録を自身の引用により示しながら、どのように考えて行動したかを振り返る。面白い。一気に読み終えた。ソ連の大統領に就任して間もなく、保守派のクーデタ、エリツェンの裏切りによってソ連の崩壊を招いてしまう。エリツェンの裏切りがなくてもソ連の崩壊は歴史の必然のようにも思えるが、ゴルバチョフにとって民主化されたソ連が到達点、理想だったようだ。ゴルバチョフは平和を軸に西側と対話を行い核兵器削減で成果を上げたわけだけど、トランプ政権になってアメリカが削減条約から抜けてしまった。あのころ、未来を見据えた東西の対話は偉大だったと思う。
2020年10月3日
-
教養としてのロック名盤ベスト100 (光文社新書)
- 川崎大助
- 光文社 / 2019年7月17日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
面白く読んだ。ロックを長年聴いてきたが、知らんアルバムが結構ある。それにしてもクリムゾンは?
2019年8月25日
面白く読みました。名古屋から東京に出てしまってから、久しぶりに地元を散策して大曽根アーケードがなくなっていた時の驚きを思い出した。街の変貌ぶりがすごい。歩道を歩いていると自転車が猛スピードで行き交うのに、身の危険を感じる。街を散策をしていても結局地下にもぐってしまう。などなど、日ごろから否定的なことを挙げれば数多く出てきます。それでも名古屋は好きです。この本には、そんな名古屋の未来のことが書かれているのかと思ったら、何もなかったのが残念。
2019年7月15日
-
Harmony of Difference [帯・解説付 / 国内仕様輸入盤CD] (YTCD171JP)
- Kamasi Washington
- Young Turks / 2017年9月21日発売
- Amazon.co.jp / 音楽
- 購入する
溢れ出てくる旋律を疾走感に浸りながら楽しめる。荒々しい感じもあるけど心地よい。タイプは違うけれど、ストーンアライアンスにはまった時を思いだす。
-
地下鉄道
- コルソン・ホワイトヘッド
- 早川書房 / 2017年12月6日発売
- Amazon.co.jp / 本
- 購入する
タイトルから奇想天外な内容かと思っていたが違った。リアリティのある物語であった。読んでいて、展開はある程度、予想できるが、なんでこうなるんだ!、えぇ!などと、心を締め付けられながら一気に読み終わった。悲しく残酷なテーマだが、アメリカらしくもあり、面白い小説だ。
2017年12月31日
-
テルリア
- ウラジーミル・ソローキン
- 河出書房新社 / 2017年9月26日発売
- Amazon.co.jp / 電子書籍
- 購入する
ヨーロッパとロシアを舞台とした未来小説ということになるのかな。巨人、小人、頭が獣の人、ケンタロウス、空を飛ぶマシンなど、いろいろと出てきて、奇想天外です。幸福な気持ちになったり、能力以上の力が発揮できるようになるため、大工さんにあたまに釘を打ち込んでもらうなんぞ、どうかしている。恐ろしい発想力だ。面白く読んだ。章ごとに文体が違っていて、これも面白い。句読点のない章がいくつかあったが、不思議と違和感なく読めるもんだ。原文ではどうなってんだ。
2017年12月23日
-
Is This the Life We Really Want
- ROGERWATERS
- COLUM / 2017年6月1日発売
- Amazon.co.jp / 音楽
- 購入する
待ちに待ったRoger Watersの新作をいままさに聴いているところ。
ロジャー・ウォータースのライブで素晴らしいギタープレイを披露していたので注目していたところ、ソロアルバムをリリースしていました。当たりアルバムです。バンドの構成は、基本4名で、リードギター&ボーカル、サイドキターorキーボード、ベース、ドラムです。演奏はもちろんいいけど、ドイルのボーカルは、うまい!1曲、ノラ・ジョーンズが参加しています。
2017年5月29日
-
超予測力 不確実な時代の先を読む10カ条 (早川書房)
- フィリップEテトロック
- 早川書房 / 2016年10月25日発売
- Amazon.co.jp / 電子書籍
- 購入する
長年の経験からの予測手法は説得力があります。予測の手順や正確な予測を行う上での姿勢などが示されていて、大変参考になります。このような研究は日本では行われているのだろうか。
2016年12月10日
-
サードウェーブ 世界経済を変える「第三の波」が来る (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)
- スティーブ・ケース
- ハーパーコリンズ・ジャパン / 2016年6月30日発売
- Amazon.co.jp / 電子書籍
- 購入する
サードウェーブだって?なにをいまさらトフラー、と思ったら、トフラーが示した第三の波である情報社会を実際に切り開いた著者がインターネット社会の第三の波について熱く語っている本であった。タイトルは、トフラーへのオマージュであった。インターネット社会の第三の波とは、Internet of Thingsを拡張したInternet of Everythingsの到来のことで、それが実現された社会、その実現に向けた戦略について、著者は熱く、力強く語っている。そういえば、「ユーガットメール」に心踊らされたな。臨場感があって面白い。アメリカ社会の仕組みも垣間見ることができる。
2016年9月25日
-
..It's Too Late To Stop Now...Volume I [Analog]
- Van Morrison
- Legacy Recordings / 2016年6月9日発売
- Amazon.co.jp / 音楽
- 購入する
バン・モリソンのこのアルバムは、ロックのライブアルバムとして個人的にNo.1じゃないかと思っている。どの曲がというより、アルバム全体を通しで大音量で聴いてライブに浸るのが良い。
-
暗号が通貨になる「ビットコイン」のからくり (ブルーバックス)
- 吉本佳生
- 講談社 / 2014年5月20日発売
- Amazon.co.jp / 電子書籍
- 購入する
面白く読めた。ビットコインのことを、仕組みを理解せずに誤解していたが、かなり理解できた。
2016年9月20日
-
未来化する社会 世界72億人のパラダイムシフトが始まった (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)
- アレック・ロス
- ハーパーコリンズ・ジャパン / 2016年5月19日発売
- Amazon.co.jp / 電子書籍
- 購入する
未来社会を論じた本は興味を持っていくつか読んできたが、最近読んだ中では、説得力があり、取り上げられているテーマも、一番面白かった。
2016年9月15日