現代の馬乗りからすれば信じられないような乗り方もあるけれど、馬と人が生き物として対等で(そこに主従関係があっても)、なにかを成し遂げるために粉骨砕身する生き方は、きれいごとではない野生の美しさがあった。
一つ目の話は、戦馬の育成に命を燃やした馬飼の話。次の二つは、北条早雲と織田信長の話。
馬を知る私にとっては一つ目の話が非常に共感できただけあって、武将の話はあっさりとして感じるが、見る者によって馬の価値は変わり、それでも馬に夢を感じる人間という点では変わらないのだなという感想が得られた。
小説として、緻密な構成とまでは言い難いが、馬乗りとしては心躍るものがあった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2022年1月11日
- 読了日 : 2022年1月11日
- 本棚登録日 : 2022年1月2日
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