やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

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制作 : 神崎 朗子 
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「才能」とは、努力によってスキルが上達する速さのこと。いっぽう「達成」は、習得したスキルを活用することによって現れる結果のこと。

優れたコーチをや教師との出会いなどの「機会」に恵まれることも非常に重要。
むしろ個人的などの要素よりも、そちらのほうが重要かもしれない。


バジェットがパイロットに伝授した「目標達成法」

1.仕事の目標を25個、紙に書きだす。

2.自分にとってなにが重要かをよく考え、もっとも重要な5つの目標にマルをつける(5個を超えてはならない)

3.マルをつけなかった20個の目標を目に焼きつける。そしてそれらの目標には、今後は絶対に関わらないようにする。なぜなら、気が散るからだ。よけいなことに時間とエネルギーを取られてしまい、もっとも重要な目標に集中できなくなってしまう。

4.「これらの目標は、共通の目的にどれくらい貢献するか」と考える。


偉大な人とふつうの人の決定的なちがいは「動機の持続性」
相違点は4つ

・遠くの目標を視野に入れて努力している(その日暮らしとは正反対の態度)。晩年への備えを怠らない。明確な目標に向かって努力している。

・いったん取り組んだことは気まぐれにやめない。気分転換に目新しさを求めて新しいものに飛びつかない。

・意志の強さ、粘り強さ。いったん目標を決めたら守り抜こうと心に誓っている

・障害にぶつかっても、あきらめずに取り組む。粘り強さ、根気強さ、辛抱強さ

「知能のレベルは最高ではなくても、最大限の粘り強さを発揮して努力する人は、知能レベルが最高に高くてもあまり粘り強く努力しない人より、はるかに偉大な功績を収める」


ほとんどの人は人生経験を重ねるにつれ、より誠実になり、自信や思いやりが増し、穏やかになることがわかっている。

そのような変化は20歳から40歳で起こるこ「kとが多いが、人の一生を通じて人格の成長が止まってしまう時期はない。これらの研究データが総合的に示しているのは、性格心理学でいう「成熟の原則」


「環境」が変わると、一瞬で自分が変わる



現実が作用する「成熟の原則」

1.「やり抜く力」は、育つ時代の文化的な影響を受ける
2.「やり抜く力」は、年齢とともに強くなる。


「好き」にならないと、努力できない


『タイガー・マザー』(朝日出版社)の著者 エイミー・チェア(イェール大学法科大学院教授)

「ただ好きだからと言って、上達するとは限らない。努力をしない限り、上達するはずがないのだ。だから多くの人は、好きなことをやっていても全然うまくならない」


そもそも「interest(興味)」という言葉は、「異なる」という意味をもつラテン語の「interesse」から来ている。つまり「interesting(面白い)」というのは、言葉の由来からして「ほかとは異なる」という意味なのだ。どうやら私たちは生まれつき「新しいもの好き」にできているらしい。


「新しきものに古きものを見だしたとき、人は注意を引かれるーあるいは古きものに、さりげない新しさを見だしたときに」心理学者ウィリアムズ・ジェイムズ

要するに、「情熱に従って生きよ」というのは、なかなか良いアドバイス。しかしおそらくもっと役に立つのは、それ以前に、情熱を育む方法を理解することだ。


メガ成功者は「カイゼン」を行い続ける


エキスパートはこの「3つの流れ」で練習する

1.ある一点に的を絞って、ストレッチ目標(高めの目標)を設定する

2.しっかりと集中して、努力を惜しまずに、ストレッチ目標の達成を目指す。

3.改善すべき点がわかったあとは、うまくできるまで何度でも繰り返し練習する


時間の長さより「どう練習するか」がカギ

「意図的な練習」は1日に3~5時間が限界

「意図的な練習」の基本的な要件は、どれも特別なものではない。
・明確に定義されたストレッチ目標
・完全な集中と努力
・すみやかで有益なフィードバック
・たゆまぬ反省と改良


毎日、同じ時間、同じ場所での「習慣」をつくる

「意図的な練習」を最大限に活用するための第2の提案は、「習慣化すること」

具体的には、自分にとってもっとも快適な時間と場所をみつけること。
いったん決めたら、毎日、同じ時間に同じ場所で「意図的な練習」を行う。
大変なことをするには、「ルーティーン」にまさる手段はないから。

『天才たちの日課ークリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブ日々』(メイソン・カリー著、フィルムアート社) 161名のクリエイティブな人々の「1日の過ごし方」が紹介されている。


レンガ職人に「なにをしているんですか?」と尋ねた時。
1「レンガを積んでるんだよ」
2「教会をつくっているんだ」
3「歴史に残る大聖堂を造っているんだ」

3の答えの人は「やり抜く力」が強い。


組織のリーダーにしろ、従業にしろ、100%自分のことだけ考えて行動するよりも、自分のことも社会のためも考えて行動する人のほうが、長い目で見た場合に、成功する確率が高いことが明らかになっている。


確固たる「目的」を抱くようになった人は、必ず若い時に、「目的」を持った生き方の手本となる人物(ロールモデル)に出会っているという。


「目的を持った生き方というのは、挫折や困難の連続でいかに大変なものか、だがそれと同時に、いかに深く満ち足りたものであるかを、理想的には、若いうちに目の当たりにするといい」

「啓示」を受ける。つまり世の中で解決すべき問題を発見する。
 発見の仕方はさまざまで、個人的な喪失体験や逆境のなかで問題をみだす人もいれば、他人が喪失や逆境に苦しんでいる姿を見て、問題に気付く人もいる。

ただし、誰かが助けを必要としている姿を見て、気づくだけでは不十分。
「目的」を持つためには、もうひとつの「啓示」が必要となる。すなわち「私ならきっと変化をもたらすことができる」という確固たる信念をもち、行動を起こす覚悟が必要。

そんなときこそ、お手本となる人物が「目的」に向かってものごとを実現させていく姿を目のあたりにした経験がものをいう。


「無力感」をもたらすのは苦痛そのものではなく、「苦痛を回避できないと思うこと」


楽観主義者も悲観主義者も同じようにつらいできごとを経験するが、受けとめ方がことなる。楽観主義者は自分の苦しみは一時的で特定の原因があると考えるが、悲観主義者は自分の苦しみを変えようがない原因のせいにして、自分にはどうすることもできないと考えてしまう。


子どものころの「ほめられ方」が一生を左右する

じつは大人になって成功や失敗ををしたとき、その原因を自分の才能に結びつけるか、それとも努力に結びつけるかは、子どものころの「ほめられ方」によって決まる確率が高い。


指導を受けて練習を行えば、困難な状況に陥っても、自分の考え方や感じ方を変えることができる。そしてもっとも重要なのは、行動を変えることができる。


「悲観的な考え方」をやめる


第一の提案は、「知能」や「才能」についての考え方をあらためること。

第二の提案は、楽観的に考える練習をすること。

第三の提案は、ひとに助けを求めること


「やり抜く力」を伸ばす効果的な方法

「死ぬほどつらい経験は人を強くする」ニーチェ格言

『子供は如何(いか)に育てらるべきか』1928年育児書のベストセラー

「子どもを抱きしめたり、キスしたりしたはならない。ひざに座らせるのもよくない。どうしてもというなら、子どもが寝る前のあいさつをしたときに、額に一度だけキスする。朝は握手する。子どもが難しい課題に挑戦して、みごとにやってのけたときは、頭を軽く撫でてやってもよい」


子育て研究による大きな発見のひとつは、親が子どもにどんなメッセージを伝えようとしているかよりも、子どもがそのメッセージをどう受け取っているかのほうが重要だという点


「やり抜く力」の鉄人の多くは、親を手本にしている

「親が興味を持っていることは、子どもにも自然と伝わる。たとえばピアニストの親たちは、子どもがテニスの練習に行くときは送り迎えを誰かに任せても、子どもがピアノのレッスンに行くときは、必ず自分で送り迎えをしていた。テニスに熱心な家庭は、ちょうどその逆だった。このような例は、ほかにもたくさんあった」


「やり抜く力」の鉄人たちに行ったインタビューでも、多くの人が誇りと畏敬の念をこめて、自分がもっとも尊敬し、影響を受けたロールモデルは親だと語った。

そして、親と同じようなことに興味を持つようになった人が非常に多いのも、顕著な特徴だった。

このように「やり抜く力」の鉄人たちは、親のやることをただまねるようになっただけでなく、親を手本とするようになった。


もしあなたが自分の子どもの「やり抜く力」を引き出したいなら、まず、「自分が人生の目標に対してどれくらいの情熱と粘りをもって取り組んでいるか」、つぎに「子どもが自分を手本にしたくなるような育て方をしていると思うか」考えて模様。


性別、民族性、社会的地位、婚姻区別にかかわらず、「温かくも厳しく子どもの自主性を尊重する親」をもつ子どもたちは、ほかの子どもたちよりも学校の成績がよく、自主性が強く、不安症やうつ病になる確率や、非行に走る確率が低いことがわかった。


「課外活動」を絶対にすべしー「1年以上継続」と「進歩経験」の衝撃的な効果


「2年以上」「頻繁な活動」をした子は将来の収入が高い



非営利団体「教育試験サービス」(ETS)の資金提供によって運営された。ETSは、ニュージャージー州プリンストン市郊外の広大な敷地に本部を構え、統計学者や心理学者など1000名以上の科学者が、学業や仕事における成功を予測するためのテストを開発している。

SAT(大学進学適正試験)やGRE(大学院進学適正試験)やTOEFLも、ETSが作成・実施しているテストであり、ほかにも全37科目のアドバンスト・プレイスメント・テストの作成・実施を行っている。

つまり「クリネックス」がティッシュの代名詞であるように、「ETS」は標準テストの代名詞なのだ。


重要な目標は、「最後までやり通す」という性格的特徴には、「やり抜く力」と同じように「くじけそうになっても、あきらめずに努力を続ける」という特徴が含まれるかどうかを確認することだった。


「勤勉さ」は練習によって身に着けられる


おとなも子どもも「やり抜く力」が身につく4つのルール

1.家族全員、ひとつはハードなことに挑戦しなければならない。
→「ハードなこと」というのは、日常的に「意図的な練習」を要すること

2.やめてもよい

→ただしやめるには条件があり、シーズンが終わるまで、たとえば授業料をすでに支払った期間が終わるなど区切りのよい時期がくるまではやめてはならない。


3.「ハードなこと」は自分で選ぶ

→選ぶのを他人任せにしない。


4.新しいことでも、いまやっていることでもかまわないが、最低でもひとつのことを2年続けなければならない。


まわりに「やり抜く力」を伸ばしてもらう


文化と「やり抜く力」の関係についての結論。

→自分の「やり抜く力」を強化したいなら、「やり抜く力」の強い文化を見つけ、その一員となること。「やり抜く力」の強い文化をつくりだす。


著者がおおいに興味を持っているのは、「文化には長期的に私たちのアイデンティティを形成する力がある」という考え方

長期的に条件がそろえば、自分が所属する集団の規範や価値観は、やがて自分自身の規範や価値観になる。

自分の一部となり、常についてまわる。集団の流儀や新年だったものが、自分自身の流儀や信念になる。


人間はときに費用・便益分析によってものごとを決断する。つまり、私たちはものごとを決断するときに、それによってどんなメリットあるいはデメリットが生じるかを計算し、その見積もりがどれくらい合っているかを考える。昼食にはなにを注文するか、あるいは何時に寝るかを決めるときも、よい点と悪い点を比較してから決める。いたって理論的だ。
(スタンフォード大学名誉教授 ジェームズ・マーチ、意思決定論や組織論が専門)

しかしマーチは、人はときには後先のことなど考えずにものごとを決めると言う。そういうときには、「どんなメリットがあるか?」「どんなデメリットがあるか?」「どんなリスクがあるか?」とは考えない。

それよりも、「自分はどんな人間なのか?」「この状況をどう考えるべきか?」「私のような人間は、こんなときはどう振る舞うべきか?」と考えるのだ。


「徹底的なコミュニケーション」が人を変える

「言葉遣い」を変えて、価値観を変える

ささいなことでも「最善」を尽くす


「やり抜く力」は伸ばせる方法は2つ

ひとつは、「やり抜く力」を自分自身で「内側から伸ばす方法」
具体的には、
「興味を掘り下げる」
「自分のスキルを上回る目標を設定してはそれをクリアする練習を習慣化する」
「自分の取り組んでいることが、自分よりも大きな目的とつながっていることを意識する」
「絶望的な状況でも希望を持つことを学ぶ」など

もうひとつは、
「外側から伸ばす」方法

親、コーチ、教師、上司、メンター、友人など、周りの人々が、個人の「やり抜く力」を伸ばすために重要な役目を果たす。


性別、民族性、社会的地位、婚姻区分にかかわらず、「暖かくも厳しく子どもの自主性を尊重する親」をもつ子どもたちは、ほかの子どもたちよりも学校の成績がよく、自主性が強く、不安症やうつ病になる確率や、飛行に走る可能性が低い。


アリストテレスは、たとえよい性質でも強すぎたり弱すぎたりするのはよくないとして「中庸の徳」を説いた。

例えば、過度の勇気は「蛮勇(ばんゆう)」になり、勇気がなさすぎれば「臆病」になるという考え方。
そうすると、優しすぎたり、寛大すぎたり、自制心が強すぎたり、バカ正直だったりするのも、よくないということになる。


人々が他人をどのように評価するかを調査した結果、さまざまな性格の特徴のなかでも、「道徳性」がもっとも重要と考えられていることがわかった。


ジャーナリストのタナハシ・コーツ
二作目の著書『世界と私のあいだに(Between the World and Me)』(未邦訳)は異例のベストセラーとなった。

レビュー投稿日
2018年2月11日
読了日
2018年2月4日
本棚登録日
2018年2月4日
3
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