前作に引き続き、2017年公開の映画『GODZILLA 怪獣惑星』の前日譚を描いた小説。
今回特に面白かったのがガイガンの話題でした。ガイガンは過去作は不勉強なもので『FAINAL WARS』に登場したものしか知らないのですが、まさかの味方側での参戦には驚きました。また過去作ではサイボーグ怪獣で登場したガイガンが、その通りどんどん生身を吹き飛ばされ、失い、機械に付け替えられ、様々に形態変化していく様には心が重くなりました。映画『GODZILLA 決戦機動増殖都市』を観た後だったので、ガイガンの最終形態はしんどかったです。ガイガンはサイボーグ怪獣で修理されては何度でもゴジラの前に立ち塞がるキャラクターだというのは、過去作でも多分定番の立ち位置ですし、それによって愛されてきたと思うのですが、あの歴代最強とも言えるゴジラとやり合うためにはこうなるしかなかったのかな、と考えると辛くなります。辛くなりますが、とても良いリスペクトを受けていますし、何度でも読み返してしまいます。
何度でも読み返してしまう魅力が、前作と併せてこの小説にはあります。
また、先程のガイガンの話題も含め、過去作の小ネタは健在です。オキシジェン・デストロイヤーの話題、そしてあの怪獣の登場の示唆にはわくわくしました。ゴジラは遭遇したのでしょうか。ちょっと興味があります。そして舞台が日本に移った後に登場するインタビュー相手達の名前もまた過去作に登場する名前が反映されており、過去作を見返す楽しみが増えました。
何度でも小説、アニメ『GODZILLA』三部作、他のゴジラ作品を読み返し、見返させる魅力が、この小説にはあります。楽しかったです。
- 感想投稿日 : 2019年12月6日
- 読了日 : 2019年12月6日
- 本棚登録日 : 2019年12月2日
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