中原中也全詩集 (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2007年10月24日発売)
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感想 : 37
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トタンの屋根がセンベイみたいに夕陽を食ってしまったとして
それになんの不都合があろう
空と山とに笑われながら、思いの丈を現在に叩きつけても
それはまったく自由であろう
だが自由とは
他者の自由を禁ずる自由でもあったというわけなんですよ
それに気づいた友人たちが
去っていくのを見送ったあと
テンポ正しく真面目にやろうと
思ったときには遅すぎた
中也も息子も早くに死んで
あとには自分のポエムのみ
汚れっちまった悲しみのように
誰も乗らないブランコのように
打ち捨てられていた
のだった

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感想投稿日 : 2017年2月9日
本棚登録日 : 2017年2月9日

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