トパーズ (角川文庫)

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本棚登録 : 1540
レビュー : 131
著者 :
blockさん  未設定  未設定

変態プレイを生業とするコールガールたちを描いたこの手の風俗小説は
バブル時代の日本において
唯一成立しえたプロレタリア文学のありようと言えるだろう
人間としてのプライドを「プレイ」の中に放棄し
そうやってカネを稼ぐ彼女らの存在は
むしろ男たちのルサンチマンを刺激する
そのように粗末に扱えるほどのプライドを、彼女たちは
まだ持っているのだと
少なくとも、男たちにはそう見えてしまうんだ
好景気に依存してはしゃぎまわるうちに
いつのまにか、自分の本当の望みも見失ってしまった
そんな彼らにとって娼婦というものは
愛と憎しみ、嫉妬と羨望、甘えと逆恨み、発達と退行
あるいは、恐怖と快楽…などといったような
逆説にみちみちた自己の投影でもあったわけだ
それは、乳飲み子だったころ、母親との濃密な関係性において実現した
全能性へのノスタルジーとも言えるだろう

これらの作品から「五分後の世界」へとつながっていくことは
今にして思えば、自然な物語だった

レビュー投稿日
2015年6月30日
本棚登録日
2015年6月30日
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