九十九十九 (講談社文庫)

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著者 :
blockさん  未設定  未設定

一般論に「世界を変えたければまず自分が変わるべき」というのがありますね

そりゃ、物事の順番として
「まず自分が」というのがスジであろうと僕なんかも思う
しかし、そうであるからといって、いったい誰が保証してくれるだろうか
「自分が変われば世界も変わる」なんてことを?
そうだ、自分を変えたからといって、それに合わすように
世界のほうでもその形態を変えてくれるわけでは、必ずしも、ない
特に、彼がこの世界における「異物」だったりなんかした場合にはね
そして、世界の変わらないことを「自分の変わりかたが足りないからだ」
「自分の変わりかたが間違っているからだ」
などと思い詰めたあげく
寛大さや誠実さや正直さなんかをかなぐり捨てて
モンスターになっちゃったりする人も、まあ、いたりするわけだ

そんなことになるぐらいなら、一生自分の殻にとじ込もって
妄想の世界に生きたほうがマシかもしれない
けれども、人は老いてゆくものであり
老いは人を否応なしに凡庸な死へと追いやる
だから、やっぱり
アキレスは立ち止まることなく亀を追い越してゆくべきなんだ
それがどんなに恐ろしいことでも
後悔のないように、手遅れにならぬうちに

平行世界モノに見せかけて、これは一種の夢オチであると思う
主人公の「メタ探偵」ぶりは第一話から圧巻、なんだけど…

レビュー投稿日
2013年7月29日
本棚登録日
2013年7月29日
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