ニセ札つかいの手記 - 武田泰淳異色短篇集 (中公文庫)

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「めがね」
肺病病みで近眼の女が眼鏡をかけようとしないのはなぜだろう
メロドラマである

「『ゴジラ』の来る夜」
冷戦時代に誰もが抱えていた「ある恐怖」を象徴するのがゴジラだ
それは、誰もが平等に受けるべき恩寵でもあった

「空間の犯罪」
昭和24年に発表されたアプレ犯罪小説
足が不自由で徴兵を免れ、戦争を生き延びた青年が
やくざ者にバカにされたことから少しずつ道を踏み外してゆく

「女の部屋」
朝鮮人の経営するカフェで働きはじめる女
朝鮮戦争の開幕から、北派と南派にわかれて険悪になっていく人々に
ついていけない感じ

「白昼の通り魔」
田舎の山出しのファム・ファタール
2度の心中につきあって2度とも生き延びる
罪はなくとも、その天然ぶりで知らず知らず恋人たちを傷つけるのだろう

「誰を方舟に残すか」
旧約聖書を独自解釈したもので、タイトルが内容をほぼ示している
たとえばそれを、ナチスの蛮行に比較することもできなくはない

「ニセ札つかいの手記」
1000円札はただの紙、的な主義の理想にもとづいて
ニセ札をばらまいているらしい
よくわからないがそこにおそらくジレンマを抱えた男がいて
語り手(これも男)を引きつける
東京オリンピックの工事が開始された頃の話で
なぜか急に三島由紀夫の「月」が引き合いに出されたりする

レビュー投稿日
2017年7月26日
本棚登録日
2017年7月26日
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