著者がはじめに述べている通り批評というよりは桐山襲という作家・作品の紹介書といった感じ。デビューから十年に満たず夭折した作家の全作品(ほぼ絶版)が引用長めで紹介されている。パルチザン伝説や風のクロニクルなどは既読で、書簡体で書かれた前者、過去のエピソードが戯曲で書かれた後者などテーマ選びだけでなく書き方にこだわる姿勢が面白い作家だと思っていたけど本書を読んでその姿勢は全作通じて一貫されていたことを知れて良かったです。全部ほしい。あとどうでもいいけど「夥しい」ってよく使う作家だなと。やたら目についた。
また巻末には単行本初収録となる「プレセンテ」という作品が収められています。前半はゴーゴリの「鼻」みたいな話で後半は映画「ファイトクラブ」みたいな感じでしょうか。少し不思議な小説でしたが面白かったです。
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- 感想投稿日 : 2016年7月4日
- 読了日 : 2016年7月4日
- 本棚登録日 : 2016年7月4日
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