戦う操縦士 (光文社古典新訳文庫)

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レビュー : 5
制作 : Antoine de Saint‐Exup´ery  鈴木 雅生 
bluecoatさん 文学   読み終わった 

1940年5月-6月のドイツによるフランス侵攻のさなか、
3人乗りの偵察機の機長としてフランス軍に従軍している人物
(ほぼサン=テグジュペリと同一人物)の一人称による
思索的小説。

敗色濃厚のフランスで、主人公は前線付近の偵察のために
飛び立っていきます。
高高度による影響により機械あるいは身体に不調が現れ、
ドイツ軍の戦闘機隊の襲撃をかわしながらも、
なんとか偵察を終え主人公は帰還します。

死が日常のこととして眼前にある状況で、
自分が行う偵察は大勢にはなんら影響を
及ぼさないことを知りつつ飛行する主人公。
自分は何のために戦うのかを自問するなか、
「人間」のために戦うのであるという
回答を見出します。

ただ、ドイツの側も別の立場から「人間」のために
戦っていたのであり、そして、この考え方はえてして
「相手は人間ではない」などといった考えに
なりがちなのは注意しなければなりません。
そして結局、戦争とは
勝利したほうが「人道的な存在」であり
敗北したほうは「非人道的な存在」となる
という現代の現実が存在します。

レビュー投稿日
2019年3月24日
読了日
2019年3月24日
本棚登録日
2019年3月24日
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