黄金の旅路 人智を超えた馬・ステイゴールドの物語

著者 :
  • 講談社 (2014年5月20日発売)
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本棚登録 : 51
感想 : 7
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人気薄で幾度となく上位に飛び込んでくるのになかなか勝ち切れない、愛すべき残念な馬。そんな目で私はステイゴールドのことを見ていたため、彼がドバイでファンタスティックライトを破ったときには本当に驚いたし、香港での引退レースで絶望的な位置から差し切った豪脚も強烈な印象として脳裏に焼き付いている。

それから10年。三たび彼に驚かされることになるとは思いも寄らなかった。当初はさほど期待されていなかった種牡馬生活において産駒が次々と大活躍。特に父ステイゴールド×母父メジロマックイーンという謎のニックスが、オルフェーヴルやゴールドシップといった個性的な名馬を生み出したことは大きな話題となった。そのくせ、マックの独壇場だった天皇賞春ではオルフェーヴルもゴールドシップも惨敗を喫し、その一方で同じステイゴールド産駒でも短距離馬デインヒルを母父とするフェノーメノが天皇賞春を連覇するなど、考えれば考えるほどわけがわからない。この「わけのわからなさ」が今も昔も変わらないステイゴールドの最大の魅力なのだと私は思う。

ということで、本書はこの「わけのわからなさ」にどのように迫っているのだろうかと期待して読み始めたわけだが、実際にはウィキペディアに毛が生えた程度の記述しかなく、ガッカリさせられた。ステイゴールドの半生を表面的に網羅してはいるものの、「ステイゴールドとは一体何者なのか」という問いの核心を衝いてはいない。

しかも、本書の中で最も気合いの入っている箇所が、ステイゴールドと直接何の関係もないメジロ牧場についての記述だというところがまた何とも…。残念ながら著者のステイゴールドへの愛着や執着が伝わってこなかったというのが正直なところ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 趣味・娯楽
感想投稿日 : 2014年6月5日
読了日 : 2014年6月5日
本棚登録日 : 2014年6月5日

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