なぜ働いていると本が読めなくなるのか (集英社新書 1212)

  • 集英社 (2024年4月17日発売)
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フルタイムで働いていた頃、一日の疲れで、本が読めなかった。能動的な活動である読書よりも、受動的にテレビを見ることで疲れを癒していた。

仕事を辞めたら、仕事につながる情報を得る必要がないのだから読書はさらに遠ざかるのでは?そう思っていた。でも、答えは否だった。仕事に全力投球しながらも、心の底では学生時代のように思う存分本を読んで音楽を聴きたいと願っていたのだ。

絹と麦の会話からスタートする序章
「花束みたいな恋をした」は恋愛の視点で観ていた。
すれ違いのストーリーにがっかりしたのを覚えている。でも、三宅さんは労働と読書が両立しないという視点でこの二人の距離感を捉えている。

この本のほとんどは読書と労働関係の歴史が論述されている。日本人がどう本を読んできたのかがわかる。特にベストセラーと時代背景の流れが興味深い。

ほしい情報以外の偶然の知を得ること。これが読書の良さ。偶然性に満ちた知を楽しむこと。
ノイズに思えることが他者の文脈につながるかもしれない。

この本の中にも、タイトルに直接つながらない文脈に触れて、興味が生まれた。理路整然という本ではなかったけど、読書の幅を広げたい気持ちが生まれた。

あとがきより
働きながら本を読むために
1 ブクログ、読書メーター、Xなどで読書情報を得る
2 iPadなどで電子書籍を利用する
3 カフェ読書の習慣化
4 書店に行って刺激を得る
5 今まで読まなかったジャンルに挑戦する
6 無理をしない

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 論説ルポ
感想投稿日 : 2024年6月25日
読了日 : 2024年6月25日
本棚登録日 : 2024年6月25日

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