あれほどボリュームがあって、濃いストーリーだった「姑獲鳥の夏」が、まるで序章であったかのような、そんな気さえする。
なんだ?この世界は?まさに、「みっしり」と詰まっている。
思春期の少女たちの幻想と現実に翻弄されつつ、
刑事、木場修太郎の匣。
孤独な若手幻想作家、久保の匣。
元女優、美波絹子の匣。
登場人物たちの様々な匣の中をのぞいてゆく感じ。
物わかりの悪い作家、関口にイライラしつつも、そのおかげで内容を深く理解することができる。
とぼけていながら核心をつく探偵、榎木津が周りを振り回し、クライマックスに向け、憑き物落としに立ち上がる古本屋、京極堂。
そして、匣は壊されてゆく・・・
とにかく物語に入り込みすぎて、その匣を覗いてみたくなったことは、もちろん、危うく、ほんの一瞬だが、その匣に入ってみたい。と思ってしまった。
かなり、危険である。
読了後はかなりの達成感。面白かった。
そして、憑き物落としの京極堂こと中禅寺秋彦に魅せられた。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
京極夏彦
- 感想投稿日 : 2012年7月8日
- 読了日 : 2012年5月30日
- 本棚登録日 : 2012年7月8日
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