書店員さんが、より多くの人に読んでほしいということで表紙を隠し「文庫X」という形で本屋さんに並んでいた本書。
読み終えて思ったのはやはり、ひとりでも多くの人に読んで、知ってほしいということでした。
TVやネットから日々流れていく情報量が多すぎて、何となく事件というものが軽く感じられるようになってしまった気がします。でもこうして活字で読むことによって、よりリアルに事件を知ることが出来る。
筆者である「清水潔」記者の執念。ここまで調べて追及して書くということがどれほどのことか。
この事件のことは当時ニュースをみて知っていました。同じ年頃の姪がいたので、気にしてみていた事件でした。それでも私の中では「連続女児誘殺人事件・犯人逮捕」で「終わった事件」でした。
しかしそれは、警察やマスコミによる「操作された情報」だったのですね。
ここ数年私はマスコミの情報はすべてが事実ではないと感じ、そのまま信じないことにしています。
TVドラマや映画でも、警察や裁判所の「正義」にたいしての揺らぎを取り上げるものが多くなっています。
それらが真実であるならば、私たち一般人は何を信じ誰を頼り暮せばよいのか・・・。
冤罪で牢獄生活をさせられた人がいる。人生を台無しにされた本人とその家族に誰がどんな償いをしてくれるというのでしょうか?
真犯人がほかにいるのに、捕まえることも牢獄へ送ることもしてくれない警察、裁判所、国に対して被害者の家族は何を信じどう生きてゆけばよいのでしょうか?
そして何より被害者の幼い子供たちの未来を奪った犯人が今も普通に生活をしているという事実はどう解釈をすればよいのでしょうか?
この事件に本当の意味での結末はあるのでしょうか?
せめてこの本が、この国が住みよい平和な国であるための一石になることを願います。
- 感想投稿日 : 2018年5月6日
- 読了日 : 2018年4月14日
- 本棚登録日 : 2017年2月26日
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