「がん」はなぜできるのか そのメカニズムからゲノム医療まで (ブルーバックス)

制作 : 国立がん研究センター研究所 
  • 講談社 (2018年6月20日発売)
3.81
  • (16)
  • (22)
  • (16)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 334
感想 : 41
4

国立がん研が著者であるブルーバックス、というわけでがんのイロハを学ぶための教科書として購入。
一定の前提知識を有する読者でないと読むのが難しいと思われるけど、現場の実態も踏まえた記載が多く信頼できそう。
・がん患者全体の5年相対生存率は60%を超える
・がんは、遺伝子の傷が蓄積した細胞が、正常の制御機構から逃れて無制限に増殖することで発生すると考えられている
・年間100万人以上が新たにがんを発生するといわれる
・我々の体内では、2万種類ほどの遺伝子の情報に基づいて約5万~10万種類ほどのたんぱく質が作られている。うち、細胞の増殖に関わるたんぱく質は数百種類と精鋭
・数百のがん遺伝子が見つかっている
・がん抑制遺伝子は、細胞がむやみに増幅しないための制御機構の1つ
・遺伝子のDNAは、塩基3つごとに1個のアミノ酸を指定
・人の発がんには環境要因が大きくかかわっている
・2005年頃にアメリカで次世代シーケンサー(DNAの塩基配列を読み取る自動化装置)が登場
・免疫機構は加齢とともに突破されやすくなる
・免疫チェックポイント阻害剤の登場によりがん治療は新しい局面を迎えた
・細胞の分裂できる回数には限りがある(細胞老化)。細胞分裂のたびにDNAの末端は短くなり、遺伝情報が失われていく
・生活習慣病は早期段階から兆候が表れるが、がんは症状が現れた際にはだいぶ進行していることがある。国立がん研では、がん早期発見のための血液検査を開発中
・生殖によりゲノムの情報が親から子へ垂直伝達される他にも、miRNAという形でも伝達がされている
・日本では感染によるがんの発症事例が多い(肝炎ウイルス→肝臓がん、ピロリ菌→胃がん)
・食塩・塩蔵品と胃がんとの間に関係ある
・メトホルミンは元を辿ると植物由来の成分
・がん予防薬が使われるのはそう遠くない未来と思われるが、予防薬が保険適用になるかは大きな問題

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年3月1日
読了日 : 2021年2月26日
本棚登録日 : 2021年2月26日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする