俳優のノート

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  • KADOKAWA(メディアファクトリー) (2000年3月1日発売)
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一九九八年一月に新国立劇場こけら落としとして行われた舞台、「リア王」の、稽古開始四ヶ月半前から楽日までの日記。演劇論、演技論として読むのだろうけど、的確でわかりやすい文章、精妙な着眼、経験を経た考察が、もっと広汎なノートとして読める。
俳優というのは不思議な仕事だ。脚本を一字一句徹底して読み込む。演出家が演出する。一人一人の俳優が演技プランをたてる。反応する。あわせる。仕掛ける。無視する。入念な、凄まじい意思の力で、役を作っていく。その結果、俳優は消え、舞台にある人物が生まれる。
自意識を手放すプロの記録。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 読む
感想投稿日 : 2010年10月24日
本棚登録日 : 2008年5月7日

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