黒幕―昭和闇の支配者〈1巻〉 (だいわ文庫) (だいわ文庫 H 16-1 昭和闇の支配者 1巻)
- 大和書房 (2006年3月1日発売)
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感想 : 9件
週刊文春の元記者であるジャーナリスト大下氏のドキュメンタリーシリーズ。
第1巻は児玉誉士夫がテーマです。児玉誉士夫は右翼の大物で、戦中に軍事物資の調達にあたる児玉機関で活躍し、A級戦犯となるも釈放、戦後に鳩山一郎を中心とした党人派を支援し、自由党の創設を金銭面でバックアップ。その後フィクサーとして君臨するも、最終的にはロッキード事件で起訴された人物です。(詳細は<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%90%E7%8E%89%E8%AA%89%E5%A3%AB%E5%A4%AB" target="_blank">wiki</a>参照)<br><br>
基本的に時系列で児玉氏の活躍を記述していますが、文章構成が冗長、少しくどいです。取材量・参考文献量が多く、初出の人物や事件についてひとつひとつ丁寧に説明しているため、この時代の背景について断片的に多くの情報を掴むことができるという意味ではいいのですが、小説的なドキュメント物(高杉良など)と比較するとエンターテイメント性には欠けます。<br><br>
この「昭和闇の支配者」シリーズは2巻、3巻も読んだのですが、後の方が文章が洗練されてきますし、面白いシリーズなのです。
社会の暗部に興味がある人、政治に興味がある人にはお勧めです。厚さの割りにさくっと読めます。
読書状況:未設定
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カテゴリ:
ドキュメンタリー
- 感想投稿日 : 2006年6月23日
- 本棚登録日 : 2006年6月23日
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