暮らしは、ちいさく シンプル生活と「私らしさ」を両立するヒント

  • 大和書房 (2012年7月10日発売)
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この本の著者は、生前、青山で英国骨董のお店を
営んでおられた。お店は今も、アンティーク銀器の
お店として経営を続けていらっしゃる。

そういう関係上、アンティークを生活に取り入れた
住まい方や日々の生活が書かれているけど、それを
全部真似ることは、別にないと思う。

例えば、物の管理の仕方や、家具の扱い方。
部屋の使い方は真似たらいい。

物をゴタゴタ持たない。
よく使うものに絞る。

その代わり気に入ったものだけを
よく使ってよく手入れする。

一人になれるスペースを、家の中でも演出する。
休息は心地よい場所で。

目に入れたくない物は隠す収納。

お部屋の家具のトーンは一色にまとめて
差し色を。

そんなふうに原則を学ぶ。

食器の色の揃え方とかは、金額とあまり関係ないし。
お手紙のおまけに、ちょっとお茶を添えるなんて
やる気があるかないかの問題。

極端な話、こうしたいと思った時にすればいい。
やり方は知ってるけど、気が向かないって時に
行動だけ真似るよりも、そう言えばこういう事
があったっけ…やってみよう、と思った時に
自分のできる範囲で見習えばいいのだ。

まさに、見て習う。こんな世界があるって
知っていて、いつか活かそうと思うのこそ
素敵。そしてできそうなちょっとしたことから
実行に移して、自分なりにアレンジされた、
良い習慣が出来たら、それでいいのじゃないか。

私は、花を切らさないと書かれてあっても
真夏はお花を買わない。

冷房で早く疲れてくる花を見るのは可哀想だし
こまめなお世話が、夏にはとても身体が弱る私は
出来ないからだ。

そのかわり、ポプリの安いのをまめに飾る。
いい香りだし、キレイだし。埃っぽくなって
どうしようもなくなったら、少しだけダスト
シューターに吸わせる。

そうすると、掃除のたびにいい香りで、
最後に紙のゴミパックを捨てる時も
埃臭くない。

私なりのアレンジだ。

大原さんの生活を、書かれている通り
丸呑みすることはない。

スコーンだって手作りが体の不調でシンドい
時は、買ってきて食べる。

ただ、その時に可愛いかごを使うとか
ペーパーナプキンだけで包んでるけど
たまには布のも使うとか…。雰囲気や
気分を、自分なりに演出する。

そういう楽しい頭の体操のヒントを、本から
分けてもらう。

身の回りを、無理して全部をアンティークに
することはないし
持ち物にかける予算も、自分なりにしたらいい。
今時、新しいものでも素敵なものはたくさんある。

アンティークが好きだけどお値段がという時は
テイストの似た新しいものを買って、自分が大事に
その物を愛用して、次に伝えたらいい。

大事なのは、どんなものに心を惹かれるのか
よくいろんなものを見ておくこと。

ちょっと普段の生活に、一手間かけること。

そして、無理しないで頭を使って、気軽に
いいとこ取りすることが、大事じゃないだろうか。

ああ、それから。

いっとう大切なのは。

自分がどういうテイストのものが好きで、
飽きないのか。服ならこういうもの。
食器ならこういう感じ。

とか…

自分の趣味はこうだから、ここにこういうスペース
作ろうかなとか…。

あと…

自分には、普段の家事の中で、こういうことは
誰の手も借りないで気軽にやれてるけど、

こういう部分はこれこれこういう理由で
あまり出来ないからお留守になってるぞ、とか…。

自分をよく知ること。

どうしても出来ないことは、誰にもある。
お留守になってる部分は、苦手なら、それを
省いても、だらしなくならない生活の方法を
考えたり、気軽に実行できるような状況を、
自分で作ってあげたらいい。

衣替えしないでいいように収納して
衣類の総ざらいをするなんて、まさに代表的な
工夫だと思う。

何が出来て何が出来ていないか。
何が好きで、何が必要か。

本当は何が要らないやって感じているのか。

まず自分の本音を知ることが一番大事。

はっとなった時に、この本に戻ってきて
そうそう、最近雑になってない?と
自分にチェックをいれて、大原さんのお暮らしを
偲んでは、深く息をするのがいいかなと、そう思う。

素敵だな…って素直に憧れながら。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年9月2日
読了日 : 2017年8月28日
本棚登録日 : 2017年7月26日

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