うまいな、といった感じの短編集。ササッと読めてしまった。
「老歌手」
「まるで国語のテストの問題文みたいだ」という謎の感想がアタマをよぎった。なぜだ?
オチはなんだか取って付けたみたいだが、実は後のほうの短編への伏線になっている。
「降っても晴れても」
まるでコメディ映画。テンポが良いね。
「モールバンヒルズ」
イシグロみたいな一人称の手法を指して「信用できない語り手」と呼ぶとどこかで読んだ。この短編集ではその手法が前面に出るではないが、やはり語り手が、ひねくれた自意識やコンプレックスを抱えていて素直には語っていない気がする。この短編ではクラウト夫妻も素直でない。
「夜想曲」
これもコメディ映画風。老歌手では脇に近かったリンディが前面に。
「チェリスト」
この短編は珍しく語り手が素直で存在感が薄い。その代わりか女がミステリアス。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
本・雑誌
- 感想投稿日 : 2018年11月5日
- 読了日 : 2011年10月5日
- 本棚登録日 : 2018年11月5日
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