情報なき国家の悲劇 大本営参謀の情報戦記 (文春文庫 ほ 7-1)

著者 :
  • 文藝春秋 (1996年5月10日発売)
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感想 : 99
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日本軍の情報参謀による回想記。本人筆というのは、その時代の人間の考え方がじかに伝わる。もちろん記憶がうそをつく部分もあろうが、それでも第三者の筆によるものとは違う生の感じがあるだろう。

本書は戦後40年を経ての出版だが、終戦直後のノートを元にしているらしく割りと細かい部分に記録は渡る。国力の差からいって勝てない戦争ではあったが、日本軍もやるところはやっていた。しかし、やはり官僚的な内向き組織であったとの批判はまぬかれない。また「戦場の霧」とでもいうべきところは、当然、情報畑の著者は強調している。

理念、戦略も結構だが、外に情報を求めるのは戦争でなくとも基本中の基本だ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本・雑誌
感想投稿日 : 2018年11月5日
読了日 : 2010年12月7日
本棚登録日 : 2018年11月5日

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