猫の言い分お伝えします。

  • 東邦出版 (2016年1月1日発売)
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感想 : 7

私は猫に出くわすと、まず猫様とお呼びかけして丁寧にご挨拶し、拝みながら私の俗な願い事を聞いてもらうことにしている。私から見た猫は私にそうされる生き物である。人間にもたまにそうされるべきなのがいるので、その場合は初対面でも関わりなく似たようなことをする。ついでにその辺の地蔵や祠にもやる。

私の行動に惹かれるあまりにミラーリングがはじまった猫(私がご挨拶すると一緒に頭を下げる)はこれまで一匹だけで、ほかはどの猫もしばらくすると恐怖におののいた様子で逃げ惑う。
一方、人間でちょっと高等なのは自分がなぜそうされるのかまでを含めて理解しようとし、なんとなく解って、ウケたりちょっと傷ついたり見合った返しを考えたりする。要するに人間の中で高等なのは、それがこちらから見た関係性を提示するというコミュニケーションであることを理解する。そうでない人間は猫同様、ただ怖がる。
(端的に、餌や生殖、安全保証などの物理的な利害でしかコミュニケーションが取れないのを下等生物と呼び、自分から見た相手、相手から見た自分という互いに絶対に見えないものの提供を面白がるのを高等生物と呼んで差し支えないだろう)

で、毎度猫と人間(と地蔵)に同じことをしていて比較ができる私からすると、ほとんどの猫は下等な部類の人間と反応が同様である。

それが何を意味しているのかということについては言及しない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年6月3日
読了日 : 2018年6月2日
本棚登録日 : 2018年6月2日

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